2025/09/27 00:04



「こういう形にしたい」というデザインのイメージは、実は最初から頭の中にありました。

けれど、思い描いたものを“形”にするのは、想像以上にむずかしいこと。革の厚みやカーブの出し方、パーツ同士のバランス…。ちょっとした違いで全体の印象が変わってしまうのです。


試作しては「やっぱり違うな」と思い、また作り直してみる。その繰り返し。まさにトライ&エラーの日々でした。うまくいかない時は「このコインケース、本当に完成するのかな」と不安になり、手が止まることもありました。


そんな時は、少し距離を置いて遠くから眺めてみるんです。作業机の上に置いた試作品を眺めながら、「ここを少し変えてみよう」「このカーブをもう少しやわらかくしたら…」と、アイデアがふっと浮かんでくる瞬間がありました。悩んでいる時間もまた、ものづくりの一部なのかもしれませんね。


そして、何度も試行錯誤を重ねて、やっと「これだ!」と思える形にたどり着きました。完成したときの喜びはひとしおで、失敗や迷いの時間があったからこそ、この小さな革小物に込められた想いはより強いものになった気がします。


このコインケースは、手のひらにすっぽり収まるサイズ。かばんの中でも場所を取らず、いつでも気軽に持ち歩けるところが魅力です。ちょっとした外出にも、毎日の生活にも、そっと寄り添ってくれる存在。小さいけれど、心を安心させてくれる“お守り”のような役割も果たしてくれるのではないでしょうか。


また、ひとつずつハンドメイドで仕立てているので、同じ形でも革の表情や色合いが違います。柔らかい革、しっとりした革、鮮やかなカラー、落ち着いたトーン。配色や質感によって、同じデザインでもまったく違った雰囲気を楽しめます。まさに一点ものの革小物です。


これから、このデザインをベースに、さまざまなカラーや素材のバリエーションを展開していく予定です。どれも一つひとつ表情が異なるので、「あ、これ好きかも」と思った瞬間の出会いを大切にしていただけたら嬉しいです。革は使うほどに手に馴染み、経年変化で色艶も増していきます。持ち主と一緒に時間を過ごし、思い出とともに味わい深く育っていくのも、革小物ならではの楽しみ。


完成までの道のりは決して簡単ではなかったけれど、手間と時間をかけて生まれたこのコインケースは、私にとって特別な存在になりました。そしてきっと、手に取ってくださる方にとっても、日常の中で長く寄り添える特別なアイテムになると信じています。


これから少しずつ、新しい仲間たちもご紹介していきますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。