2025/11/25 08:56

森を歩いていると、
ふかふかのきのこのかさが、ちょうど背もたれみたいに並んでいる場所に出会うことがあります。

まるで森が「ここで休んでいきなよ」と
さりげなく用意してくれたみたいで、
その優しさに気づくたび、胸の奥がふっとゆるんでいきます。

今日もそこで、少しだけ目を閉じてみました。
風の音、草のざわめき、遠くで小さく鳴く鳥の声。
森の呼吸に身をゆだねていると、
自分の呼吸もゆっくりと同じリズムになっていきます。

気づけば、心の中に溜めていたものが
ひとつ、またひとつと、静かに解けていく。
急いでいた気持ちや、ちょっとした痛み、
うまく言葉にできなかった不安さえも、
森の光がそっと吸い取ってくれるようで。

休むって、“止まること”じゃないんだと思います。
本当は、自分をもう一度整えて進むための、
とても大切な「魔法」なのかもしれません。

チイモリたちが生まれる場所も、
こんなふうに、やわらかい静けさの中です。
光と呼吸が整うとき、小さな命が芽を出し、
やがて“守り”の姿へ育っていきます。

森がくれる休息は、
ただの休憩じゃなくて
心の中にある“帰る場所”を思い出させてくれるもの。

今日、このきのこのかさの上で
そんなことを、ふと感じたのです。

あなたにも、
そっと背中を預けられる場所が見つかりますように。